オフィスに人気はなく…業界内を駆け巡るイメージエポック社、危機の噂を追う
2015.02.16
イメージエポック社の手がける『STELLA GLOW(ステラ グロウ)』公式サイトより。 2015年初冬発売予定となっているが…。
PlayStation Portable用ソフト『最後の約束の物語』など、数々のゲームタイトルで知られるゲーム会社・イメージエポックの経営が危機に陥っているという情報が、業界を駆け巡っている。
同社は2004年に創業。『最後の約束の物語』をはじめ、『時と永遠~トキトワ~』の開発、『ブラック★ロックシューター THE GAME』『ソニプロ』の製作、アリスソフトの名作をコンシューマー化した『闘神都市』の発売などで知られてきた。同社代表取締役の御影良衛氏は、2009年に日本最大のゲーム開発者向けカンファレンスであるCEDECの講演で上場準備中であることを発表。翌2010年には「面白いJRPGを作り続ける」という「JRPG宣言」を発表し、注目を集めた。ところが、2013年には一部代金が未払いであるとして訴訟を提起される事件も発生。上場も実現せずに、さまざまな憶測が流れていた。
こうした状況の中で、2014年には「週刊ファミ通」(KADOKAWA エンターブレイン)10月23日発売号にて、創業10周年記念タイトル『STELLA GLOW(ステラ グロウ)』を開発中であることが報じられ、あらためて期待を集めることとなった。
ところが、今年1月頃から新たな動きが起こる。転職情報サイトにて、元社員と名乗る人物が書き込んだ「2014年には、社内開発ラインか2本→1本となっていった」「優秀な人はさっさと転職し、開発能力が著しく下がってしまった」という真偽不明の情報が、ネットで流布したのである。同時期から業界内でも、同社について「すでに会社の精算に向けて動き始めている」との噂が、現実味を持って語られるようになっていた。
そこで、噂の真偽を確かめるべく同社に対してメールで取材依頼を送ったが、回答期限を過ぎてもまったく応答はなかった。同時に、同社の入居しているオフィスビルのフロアが、すでに入居者募集として不動産情報サイトに掲載されていることも確認できた。
入居可能日は、今年の6月から。ということは、すでに退去に向けて準備を進めているのか? そこで同社を訪ねてみると、エントランスにはまだ「イメージエポック」の名前が残されているものの、同社が入居しているフロアに人影はなかった。ドアは閉じられ、宅急便の不在通知も挟まったままだ。
会社移転の可能性も考えたが、本日現在のところ、同社の公式サイトは更新されていない。また、会社登記簿でも所在地などの変更は登記されていない。つまり、業界内外で流布している噂はがぜん現実味を帯びてきている。
創業10周年記念タイトルとして発表されている『STELLA GLOW(ステラ グロウ)』は、ユーザーからも期待されており、このままお蔵入りしてしまうのはもったいない。代表取締役の御影氏は苦労人として知られるだけに、ちゃんと発売してくれることを願ってやまない。
(取材・文/昼間 たかし)
(取材・文/昼間 たかし)
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