「WiiU」ソフト拡充で値下げは否定、新興国向けで格安機 任天堂社長
任天堂は6日、東南アジアやブラジルなどの新興国向けに新しい低価格ゲーム機の発売を検討していることを明らかにした。少子化で国内のゲーム市場が頭打ちになる中、人口が増加する新興国市場のてこ入れを図る。
5月にも発表する平成27年度から2カ年の同社経営方針に盛り込む方向。同社の岩田聡社長は同日、産経新聞の取材に対して、「新興国にも任天堂のファンが多くしっかりとゲームを届けたい」と述べた。
海外向けでは現在、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」から立体視機能などを省いて価格を3割程度抑えた「ニンテンドー2DS」を販売している。しかし、岩田社長は「2DSと3DSの価格差程度では、インパクト(印象)がない」とし、新興国向けでは、現行機種よりも大幅に価格を下げた新モデルを開発する考えを示した。携帯型か据え置き型にするかなどデザインや用途は今後、詰めるとみられる。
任天堂の海外売上高比率は、7割を超える水準に達しているが、足元では既存のゲーム機が欧米市場で苦戦気味。成長が期待できる新興国で販路を広げて収益を伸ばす意向だ。
岩田聡社長は、新興国向けの低価格ゲーム機の投入の検討のほか、苦戦が続く据え置き型ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」について、ソフト拡充を約束する一方、値下げや改良版発売を明確に否定した。主なやりとりは次の通り。
--任天堂の過去のゲーム機と比べてWiiUの普及が遅れている
「遅れているのは事実だが、昨年後半から北米を中心にWiiU向けゲームソフトの評価が高まっている。WiiUならではの自社ソフトを拡充して盛り上げていきたい」
--WiiUの値下げや低価格モデル発売はあるか
「製造コストが高いので、低価格モデルの開発は難しい。また、今の任天堂は赤字になってでも値下げを断行する状態にない」
--新興国への展開は
「新興国は国ごとに事情が異なるが、任天堂のゲームを楽しみたい人は大勢いる。それぞれの国や地域に応じてゲームを届けられる方法を探したい」
--売上高が減少を続けており、今後の成長戦略が見えてこない
「赤字が続いていたので平成26年度は収支改善を目標に置き、一定の成果が出せた。28年度までには任天堂らしい売上高を実現させる。今後2年間を見据えた経営戦略については5月をめどに説明したい」
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