【フラグ】任天堂・岩田社長「スマホゲームでよくある重課金な売り方はしない。広く薄くお金を払っていただく方法をしっかり考える」
カテゴリ任天堂
2015年5月8日(金) 2015年3月期 決算説明会
質疑応答より
http://www.nintendo.co.jp/ir/library/events/150508qa/index.html
一部抜粋Q2
スマートデバイス向けゲームビジネスは「ユーザー数が億単位で、収益構造でそれなりの柱になる」という話だったが、マネタイズ(サービスの収益化)という部分について教えてほしい。例えばダウンロード数、月間アクティブユーザー数、課金ユーザー数、ARPU(Average Revenue Per User:一人あたりの売上高)、月間売上、そのトレンドといったデータを分析していくのが一般的だが、そういう考え方に、岩田社長は興味があるのか。また、任天堂が考えるマネタイズというのはどういったものなのか。また、以前スマートデバイス向けのビジネスでMiiを活用したものを検討しているという話をされたが、これは今でも生きているのかどうか確認させてほしい。
A2
岩田:
一般的にスマートデバイスのビジネスにおいて、「ダウンロード数」や「課金率」、あるいは「お客様お一人あたり、月間にいくら支払ってくださるか」という点に対して、「どのような意味があって、一般的にどう語られているか」は承知しています。そのようなものも一つの指標と思いますが、「そのような考え方で何が一番効率がよいか」ということだけを前提に考えますと、結局、「うまくいっているアプリを分析して、それはなぜうまくいっているのかを考えて、それとよく似た構造のアプリを出す」という、今まさにスマートデバイスのゲームの世界で起こっていることを後追いすることになります。今、(ここにお集まりの)多くのみなさんが、当初のような「スマートデバイスのアプリづくりに参加したら簡単に収益を上げられる」という状況から、「非常に厳しい競争に入って、そうではなくなりつつある」という状況に急速に変化しつつあるのはご存知かと思いますが、「過去の成功パターンと同じ構造をコピーしてつくる」というやり方で、私たちが目指すような姿を実現できるとはあまり思っていません。
「お金のいただき方」という意味で言いますと、今まで、スマートデバイスでさまざまな実績があるお金のいただき方の中には、「私たちが学ぶべき、参考にすべき要素」があると思いますが、ただ、今世の中にあるものをそのまま単に任天堂のIPと組み合わせただけで結果が出るかと言いますと、短期に結果は出るかもしれませんが、長期にわたって結果が出るとは思えません。地域別という観点からは、日本で結果が出るかもしれませんが、海外市場で結果が出たり、新興国で結果が出たりすることはないと思います。現にグローバル市場でスマートデバイスのゲームアプリを成功されている海外の会社の方が「日本の市場は特殊で、日本のマーケットの構造で一般的に行われていることと、自分たちがやっていることは構造が全然違う」というようなことを発言されている記事をつい最近読みました。任天堂も世界中のお客様が対象と考えていますので、日本で成功されているスマートデバイスのゲームアプリの構造を分析して、それに追随しようという発想はしていません。どちらかと言いますと、今は全体の中で、「少数の、たくさんお金を払ってくださるお客様」を見つけて、そのお客様から「いかにたくさん払っていただくか」ということを研究され、それがうまくいったところが成功されていると思いますが、そのようにやっている限りは、世界に広がって、億単位のお客様に楽しんでいただいて、それが大きな結果につながり、長期にわたって続くとは思いません。
キーワードとしては、「狭く深く」よりは「広く薄く」、すなわち「広く薄くお金を払っていただく方法をしっかり考える」ということが基本になると思います。ただ、一般的には「狭く深くの方が、広く薄くよりもこれまでうまくいっていた」と言われていますので、私たちは「その中の条件の何を変えたらその壁を越えられるのか」ということを考えています。これについては、実は社内でいろいろな議論があり、私は私でチャレンジのボールを開発者たちに投げていますし、開発者たちもさまざまな議論をしています。いくつかのアイデアが出ていますので、そういうものを順次展開していきたいと思っています。何よりも任天堂はファミリーブランドですから、「親御さんが子どもさんに安心して渡していただける」という構造は変えたくありません。そのような意味では、私たちは「お金のいただき方についてはしっかりこだわりを持ってやっていきたい」と思っています。
以下略
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