2015年4月28日 星期二

闇ソフトも味方、中国市場のソニーPS4

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMSC0I6JTSEE01.html

闇ソフトも味方、中国市場のソニーPS4

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  (ブルームバーグ):14年ぶりに解禁された中国の家庭用ゲーム機市場に先月、ソニー が参入した。発売時に当局の検閲を通過した「プレイステーション(PS)4」向けゲームはわずか6本だが、税関をかいくぐった闇ソフトが多数出回りゲーム機市場を支えている。
世界で人気の車窃盗ゲーム「グランド・セフト・オート」は当局の検閲を通過していないが、海外版でも中国仕様のPS4で遊べる。香港から非正規に仕入れたゲームを販売する天津市の「楽遊ゲーム」の店主、ダー・ヤオ氏(31、仮名)が電話取材に語ったところによると、PS4にはDVDソフトの読み込みを一定地域に限定するリージョンロックが掛けられていないためだ。
ゲーム事業の収益モデルは一般的に、機器(ハード)を安く売ってソフトで稼ぐ仕組み。ソニーもソフト販売やオンラインサービスが主な収益源となっている。中国ではゲーム検閲に数カ月かかるため、闇市場で海外ソフトが出回るのが早く、大きな流通経路となっている。アリババが運営する電子商取引サイトには2万本以上のPS4ソフトが掲載されている。長年の規制が生むゆがんだ現実だが、結果的にPS4販売を後押ししている。
北京の朝陽門外通りに5軒の小さなゲームショップが並ぶ。そこでゲームを販売しているチャン・ヤン氏(35)は「グランド・セフト・オート」が店で一番人気のゲームの1つだと話す。チャン氏はほかにも検閲を通っていないシューティングゲーム「コールオブデューティ」など20タイトル以上の海外版ゲームを販売している。
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)で中国の事業戦略を担当する添田武人部長は、中国版PS4発売直前のインタビューで、ハード面では世界と同じものを極力提供すると述べたが、リージョンロックについてはコメントを避けた。発売後も同じ問い合わせをソニーに試みたが、コメントを得られなかった。
空白の14年間
ヤオ氏自身、「モンスターハンター」の中国語の攻略本を執筆した本格的なゲーマーだ。5歳の時に手にした、任天堂のスーパーファミコンがゲームとの出会いだった。当時、スーパーファミコンは世帯収入の4カ月分と高価だったにもかかわらず、子供の知力の発達につながると考えた両親が購入したという。
しかし、外国製ゲームが売れるにつれ、中国政府は青少年の成長の妨げになると懸念し、2000年には海外ゲーム機の製造販売を禁止した。その後、中国政府は14年1月に外国企業の上海自由貿易試験区でのゲーム機製造販売を許可し、15年1月にはその範囲を全国に拡大した。中国文化部は電話やファクスでの問い合わせに現時点で回答していない。
正規ルートでの海外ゲーム機販売がなかった14年間に、中国ではパソコンゲームやスマートフォンゲームが主流となっていったが、ゲーム機の闇市場がなくなったわけではなかった。ヤオ氏によると、深圳の卸売業者が香港経由でゲーム機やソフトを密輸入し、そこから中国各地へと拡散した。
世界最大の市場
調査会社ニューズーの調べでは、中国のゲームソフト市場は今年、前年比23%増の222億ドル(約2兆6000億円)規模に達し、米国を抜いて世界最大になる見込み。ソニーも中国を大きな潜在市場と有望視しているが、ゲーム機用が占める割合は現時点では市場規模の3%未満にすぎない。
添田氏によると、中国で検閲を通過するため、ゲームに工夫を施している。たとえば、あるゲームの格闘シーンでは血が飛ぶ画面を汗や水滴に置き換えたという。中国向けのソフトでは4月30日時点で新たに「リトルビッグプラネット」など3本が検閲を通り、中国向けのタイトルは9本に増えた。
ソニーのライバルも中国市場の打開を模索している。米マイクロソフト は昨年、「Xbox One(エックスボックスワン)」を中国で発売したが、当初はリージョンロックが掛かっていたためヤオ氏の店では1台も売れなかったという。中国プレーヤーのネット書き込みによるとマイクロソフトは4月、ソフト更新を通じてソニー同様にリージョンロックを解除したという。マイクロソフトはコメントを避けた。
コンサルティング会社、カンタンゲームズのセルカン・トト社長は「リージョンロックが部分的に掛かっていないことはソニーにとってプラスだが、中国の本当のゲーム愛好家は闇市場から既にゲーム機を入手しているはずだ」と述べ、中国版PS4が正規に発売されてもソニーのゲーム機販売への貢献は限定的だと述べた。
ヤオ氏は「中国のゲーム市場はゆがんでいる」と話す。その上で、ソニーが正規版のPS4やゲームを発売したことは市場健全化を促すことになるかもしれないとの期待を示した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 黄恂恂xhuang66@bloomberg.net;東京 Pavel Alpeyevpalpeyev@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Michael Tighemtighe4@bloomberg.net 中川寛之, 宮沢祐介
更新日時: 2015/04/28 14:49 JST

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