任天堂の次世代機Nintendo Switchがいよいよ明日発売される。IGN USにはすでに未完成のレビューが掲載されているので、内容を軽く紹介したい。なお、IGN USはSwitchのオンライン機能やeショップ、Joy-Conをそれぞれ単独のコントローラーとして使用するゲームをまだ試すことができていないため、Day-1パッチが配信されるまでは仮のスコアとなる。
ハイブリッド端末として誕生したSwitchは、伝統的な家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、ワイヤレスコントローラー付きのタブレットという3つの役割を同時に果たさなければならない。IGNのレビュアーは、「1つのハードウェアにここまでたくさんのことをさせ、さらにユーザーにとって理解しやすく、使いやすいシステムにすることができたら、それは奇跡だ」とまずコメント。「任天堂はいくつかの点でそれに近いところまできているが、それ以外の点では奇跡と言うには程遠い」として10点中6.7点を与えている。
レビュアーはSwitchの素晴らしい点として、全体的な見た目と感触をまず挙げている。マット仕上げのJoy-Conコントローラーはまるで絹のような手触りで、思わず手を伸ばしたくなる。ゲーム機本体はPS4やXbox Oneと比べると恐ろしいほど小さくて薄いが、金属とガラスの構造はしっかりとした頑丈さを感じさせる。だが、それでありながらJoy-Conを装着しても重さは1ポンド(約450g)以下なので、長時間プレイしても負担にならない。宣伝されているように、Switchをドッグに接続するとTVモードにシームレスに切り替わるのも素晴らしい。また、起動してからゲームをプレイできるようになるまでの時間も驚くほど短く、スリープモードからも一瞬で再開することができる。
Switch本体の6.2インチのスクリーンはただただ美しい。色は鮮明で、日光の下でもプレイできる程度に明るい。また、120度の視野角(ディスプレイを斜めから見た時に画面が正常に見える角度)が大きな利点となっているほか、タッチスクリーンの感度もiPadやAndroidタブレットの水準といって良い。
左右のJoy-Conをグリップに装着した時のコントローラーは、ソニーのDual Shock 4を越えるようなものではないが、見た目よりずっと使いやすく、機能的だ。ただし、マイナスボタンは奇妙な場所に配置されており、左のアナログスティックに触らずに押すことが難しい。また、アナログスティックは問題なく動作するが、競合他社のコントローラーと比べると、動きの幅が著しく制限されている。
左のJoy-Conは、任天堂がもうすこしお金をかけてもよかったと思える部分だ。比較的頻繁に接続が切れてしまい、数秒後に再接続されるという現象を複数のスタッフが確認している。ゲーム本体から3mしか離れていない場所でもこの問題は発生する。ただし、Joy-Conを本体に装着した携帯モードでは、接続の問題は起きないようだ。
レビュー掲載時には、Switchに採用されたNVIDIAチップの詳細は明らかになっていない。しかし、Switchのパワーは、Wiiの時と同じくらい競合他社に遅れをとっていることは明らかだ。TVモードでプレイした「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が30fpsに完全に届くことはほとんどなく、たくさんの物体やパーティクルが同時に登場する際にはそれを大きく下回ることすらある。
しかし、こういった問題は、携帯モードでプレイしている時にはかなり減少される。「ブレス オブ ザ ワイルド」は携帯モードでは720pでレンダリングされるので、フレームレートも安定している。左Joy-Conの接続が切れる問題もないので、携帯モードを一番使うようになったが、Switchを携帯ゲーム機として扱うにはいくつかの問題がある。Joy-Conを装着したSwitchはポケットに収めるには大きすぎ、バッテリーは不安になるようなスピードで消費されるのだ。明るさを下げることで、「ブレス オブ ザ ワイルド」をなんとか3時間近くプレイすることができたが、長いドライブや飛行機に乗る時に十分な長さとは言えない。
TVモードでプレイする際の問題もある。一番痛いのは、ドックに収まったSwitchを横に倒すことができないことだ。ゲームカード用のスロット、ヘッドフォンジャック、音量コントロール、電源ボタンといったものが全てSwitch本体の上部についているので、ゲーム機をテレビ周辺の棚に置くタイプの人には操作がしにくい。また、LAN端子も存在しない。だが、恐らくSwitchの最大の問題は内蔵ストレージの少なさだ。32GBのうち、7GBはOSに使用されているので、SDカードを買わない限り、ダウンロード版のライブラリーを増やすのは不可能だ。
携帯ゲーム機としてのSwitchは、豪華なスクリーンを備えたパワフルなハードウェアだが、実際に外に持っていくには場所を取りすぎ、バッテリーを消費しすぎる。家庭用ゲーム機としてのSwitchは、パワー不足かつ不安定で、競合他社が提供しているようなベーシックな機能が不足している。造りはよく、様々な点でスマートなデバイスだが、多くある機能は全て、何かしらの妥協を必要としている。正式なスコアを出すまで、あと数日かける必要があるが、現時点で点数を出すなら10点中6.7点が妥当だろう。

以上がUS版レビューの要約だ。正式なスコアが出た後には、完全版の翻訳を掲載するのでお楽しみに。