2014年1月16日 星期四

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏

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2014-01-12 19:56:30

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(1)

テーマ:Wii,Wii U
このThe Secret Developersは、Digital Foundryの不定期連載だ。ゲームメーカーは私たち(そしてあなた)のところにやって来て、彼らが情熱を注いでいるトピックについて話す。この記事の場合、ホットな話題についての舞台裏を明らかにする。

Xbox OneとPS4がいずれもロンチで成功を収めたため、Wii Uは先が見えなくなった。尊敬すべき3rdパーティの開発者が話す「ありのままの」物語は、任天堂が高解像度のゲームの時代への移行をどのように実現したかについて、そしてWii Uというハードでゲームを開発しようとした開発者が直面した難題について、いくつかのアイデアを与えてくれるだろう。

任天堂が開発者にWii Uを最初に提案したときに、私はそこにいた。私はハードウェアに幅広く取り組み、より良い3rdパーティのタイトルの一つの開発を手助けしていた。そして今、セールスが残念な結果となった二回目のクリスマスの後で、このハードの明日は見えなくなってしまった。このハードで開発することや、任天堂と働くことがどのようなものなのかについて、ここではお話ししたい。またこのハードと、3rdパーティのタイトルの悲喜こもごもな運命について、いくらかの背景をご説明できると思う。

だがまず最初に戻ってみよう。新しいゲームコンソールが出発する際には、一般には、標準的なパターンに従う。当初はメーカー社内での研究開発という長い期間がある。そこではセールスの目標とハードウェアの設計がざっくりと描き出される。その後このデザインを洗練させていくプロセスがある。ハードウェア部品メーカー、彼らの技術や、そして当然ながらコストを詰めていくのだ。

基本的なハードウェア設計が徹底的に議論された後で、内部ソフトウェア(SDK)のチームが、このハードを動かすための初期コードやドライバのコーディングとテスト実行のために参加してくる。これらのチームがハードウェア、コスト、スケジュールに満足したら、メーカーは社外に出ていき、新しいハードウェアについての開発者と話を始める。

このステージは、まずは1stパーティ・デベロッパと行われ、彼らからのフィードバックが集められる。これらのフィードバックは、ものによってはハードウェアの設計に反映される。この段階ではまだハードウェアの設計は変更することができるが、チャンスの窓は小さくなっている。ハードウェア部品メーカーはチップを製造するための生産ラインを立ち上げる必要があるが、これには時間がかかるためだ。

最初のフィードバックを得た後で、外部のスタジオへの「キャラバン」がスタートする。特に選ばれた3rdパーティ・パブリッシャ、UBISoft、Take-Two や世界中のEAスタジオだ。プラットフォーム・ホルダが自社のコンソール向けのゲームの開発に誘致する必要がある。ゲームとそれらがもたらす収入がなければコンソールはすぐに赤字を生み出し、メーカーの首に掛かった縄を締め上げていくのだ。

この時点で大きな変更があることは少ない。ただし、ソフトウェアの変更(クロック速度、システムOSのタイム·スライスなど)によって実現できる場合や、ハードに簡単に追加することができる場合は別だ。例えば、メモリ・モジュールをもっと大容量のものに置き換えるような場合がそれにあたる。

私がWii Uの開発に携わるようになったのは、そのような時期だった。


NS: eurogamer  The Secret Developers: Wii U - the inside story

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2014-01-12 20:53:28

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(2)発表。そして発表の後で

テーマ:Wii,Wii U
任天堂からの人が会議のためにオフィスに来ていると言われたとき、私はすでに彼らが話そうとしていることがわかっていた。既に何週間もの間、新しいハードウェアについての噂が流れていたが、確実なことは何もわかっていなかった。何通ものNDA(秘密保持契約)に署名した後、プレゼンテーションを聞くため、私たち全員が部屋に集まった。

プレゼンはごくあたりまえに始まった。Wiiがどれほど成功したのか、新しいハードウェアにおける任天堂の意図はどんなものか、そういったことが説明された。

任天堂が望んだ新しいコンソールは、Wiiと同じほどの大きさでノイズが小さく「主婦がリビングに置くことをイヤがらない」ものだった。この言葉が出たとき、私の頭の中では音にならない警報が鳴り出した。だが私はそれに目をつぶってプレゼンに集中した。

任天堂の提案は「Wii Uを成功させるために、皆さんの力が必要です。今後も任天堂をサポートいただくことをお願いいたします。」というお決まりの文句に移った。私たちにとってか、それとも任天堂にとってか、結局のところ、この言葉がどちらにとって重要なものとなったかは予想できたことかもしれない。

その後、新しいコントローラのダミーモックを見せてもらった。モックアップに続いて、コントローラをどのようにゲームで使うか、もっともらしい動画が紹介してくれた。それはワクワクするものに見えた。この時点で、私たちはみな自社のゲームでこのコントローラを使用できるかを考えていた。

しかしその後、任天堂はコンソールの内部の詳細を説明したのだが、そこで私は自分が感じた警告の理由を悟った。もしも任天堂が小さな筐体で静かに動作するハードウェアを望むならば、冷却ファンのノイズを最小限にする必要がある。冷却機能は制限されるし、そのためにCPUの発熱量は最小限にされ、CPUのクロックは低く抑えられることになる。まだ仕様の詳細を確認することはできなかったが、インターネットの集合的な思考はウィキペディアのリファレンスに示されている。

そういうわけで基本的な比較/計算をしてみれば、Wii Uは、少なくとも机上の性能では、CPUはXbox 360より大幅に遅いことがわかる。この懸念はこのミーティングでも持ち上がったのだが、任天堂の担当者は「全体的な設計目標では低消費電力がより重要だったのです」「CPUの他の機能によって、性能は単純なスペックよりもよいものになるでしょう」と言い、私たちの懸念を却下した。

発表の直後から、新しいコンソールのデザインと仕様についてどう思うかを問いかけるメールが飛び交った。この問いに対するほぼ共通したな答えは「新しいコントローラはいいと思う、だがすこしCPUの性能が足りないだろう」 というものだった。

その後数週間にわたって、皆はこのハードの性能を推測しようと様々な計算を始めた(開発キットが手に入って、実際のテストを行うことが可能になるずっと前のことであることを思い出して欲しい。)一部の人々はクロックを抑えたCPUを搭載した自作PCを組んで、自分のコードがそれらのハードでどの程度のスピードで実行できるかを検証することさえ試みた。

答えはやはり同じだった。ほぼ共通する答えは、新しいハードは次世代のエンジンを実行するだけの性能を持ち合わせておらず、現世代(PS3とX360)のタイトルを走らせることにさえ苦労する可能性がある、ということだった。

だがこれらのテストにもかかわらず、経営層はWii Uにゲームを出すことを決めた。経営上の様々な理由からだ。そして私たちは今や、八方塞がりの中でWii Uのゲームの開発を行わざるを得なくなってしまったのだ。


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2014-01-12 22:30:36

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(3)さて、開発について

テーマ:Wii,Wii U
Wii Uでの開発の決定がなされた後すぐに開発キットが到着し始めた。初期のハードウェアによくあることだが、開発キットには開発時に使われるコネクタやポート等が付属しており、最終的なデザインよりも大きかった。私たちは開発キットを電源に繫ぎ、最新のシステム·コードでフラッシュしてから、シンプルな「Hello World」的なゲームを走らせようと試みた。だがこれは皆さんが考えるよりも難しいことがわかってきた。

他のコンソールで開発した経験があるため、私たちは熟成された一連の開発ツールに慣れてしまっていたものと思う。それらのツールは、私たちの開発環境ともうまく統合されているのだ。一方Wii Uは、コードをコンパイルし実行するという作業を、あらゆる機会を捉えてわざわざ難しいものに変えようとしているかのようだった。

任天堂は彼らの開発ツールをVisual Studio(開発環境のデファクト・スタンダードだ)と統合する機能を提供していたが、これは全く機能しなかった。それに近いことさえできなかった。任天堂にこの問題を報告しつつも、この問題を解決するために時間はどんどん過ぎていった。最終的に、私たちはこの問題の解決方法を受け取った。この問題にしばらく取り組んでいた、他の3rdパーティ・デベロッパを経由してだ。

そしてようやく、私たちはVisual Studioでコードを編集することができ、コンパイルすることができるようになった。結構なことだ。だがコンパイルが実に遅い。僅かな変更であってでもだ。そしてリンクという手順を踏まなくてはならない。プログラマはここでやれやれと立ち上がって、お茶を一杯入れ、おしゃべりをし、机に戻ってリンクが完了するまでに机に戻るのだ。Wii Uでのリンク時間は、他のプラットフォームであれば1分もあれば終わるのに比べて、何倍も( 4倍、あるいはそれ以上)かかることが実測されている。

このことはそんなに悪いものではないと思うかもしれない。だが、コードをデバックし沢山の変更を加えている中、このための時間がそっくり上乗せされるのだ。午前中にファイルの1つに10箇所の変更を行うとき、リンカが完了するまで50分も掛かることがある。大変な時間の無駄だ。

最終的にコードが完成したら、それをコンソールにデプロイし、デバッガを実行することになる。この部分は任天堂がGreen Hills Softwareからライセンスされている部分だ。年季の入った開発者でもあり、私は多くのデバッガを使ったことがあるが、この部分も私を驚かせた。デバッガのU/Iは不恰好で動作が極めて遅く、コードをクリックしそこなってしまう。そうするとデバッガは停止し、クリックした変数から格納された値を全ての抽出してくるのだ。操作が帰ってくるまでには1分かそれ以上かかる。

こいういった事はみな、コードの開発の実作業を本来あるべきものよりも辛いものにし、ゲームを開発する時間を侵食する。チーム全体では、コンパイル、リンク、デバッグに掛かるオーバヘッドは何人日にもなってしまう。これはリリース日までに私たちが実装できる機能の数に悪い影響を及ぼす。

また別の奇妙な点として、私たちは6ヶ月の間にいくつもの色の異なる開発キットを受け取った。なぜ色が変わっているかについての説明はなかった。ハードのバグがいくつかあり、それが修正されたことに私たちは気づいていたが、変更点についてのリリース・ノートが出ることはめったになかった。私たちはただ新しい開発キットを受け取り、貴重な開発時間を使って再び自分たちのコードに取り掛からねばならなかったのだ。

PCのような形の開発機について興味深い噂がいくつか流れていた。Wii UのGPUの代わりとしてRadeon HD 4850がアンダークロックされて使われているという噂さえあった。私たちは初期の頃からWii Uに取り組んできたが、このようなハードは見たことがない。私たちの開発キットは常にカスタムのハードの形をとっていて、私の推測では、ファイナルに近いチップが使われていた。


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2014-01-13 11:10:50

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(4)Wii Uに取り組んでみて

テーマ:Wii,Wii U
さてゲームは一応でき、コンソール上で実行できるようになった。私たちは新しいコントローラを使った機能を開発し、このハードで私たちのゲームを目立つようにする作業を始めることができる。

この作業を開始した直後、私たちは(必要最低限しかない)開発キットのドキュメントが説明していない、いくつかの問題に出くわしてしまった。そこで私たちは国内の任天堂サポートチームに質問を投げた。彼らはその答えを知らなかった。日本の開発者に確認するので、それまで待って欲しいとのことだった。そして私たちは待った。そしてさらに私たちは待った。

約一週間の待機の後、私たちはサポートチームから回答を受けた。彼らは日本からの回答をもらい、それをこちらにメールしたとのことだ。日本からの回答は数行の恐ろしくカタコトの英語で書かれており、こちらが聞いたことには何一つ答えていなかった。

そこで私たちはもう一度説明を求めたところ、回答が戻ってくるまでにまたしても一週間かそこらの時間がかかった。二回目の回答がなかなか返って来ないので、なぜ日本からの回答にそこまで時間がかかるのかと尋ねた。日本側はそれほど忙しいのか?と。地元のサポートチームはそうではないのだと説明した。問い合わせは全てまず日本語に翻訳する必要があり、翻訳された問い合わせが開発担当者に送られる。担当者の回答は次に英語に書き戻され、そしてこちらに戻ってくる。時差もあるし翻訳も必要だしで、回答が一週間ほどかかるということなのだ!

ターゲットとするフレームレートでゲームを走らせることは開発プロセスの一部だ。この文脈において、作業は標準的な手順に沿ったものであり、さほど興味深いものではない。ゲームを走らせ、コード(CPUのコードとGPUのコード)を最適化し、それでもまだ動作が重ければうまく動作するまでゲームの要素を削減するのだ。

CPUの最適化に関して言えば、そうだ、CPUが十分に強力ではないという理由で、私たちはいくつかの要素を切捨てる他なかった。私たちが当初から恐れていた通りだった。詳細に作りこんだゲームをHDで実行することは、CPUに大きな負荷をかける。私たちが望んだように実現することはできなかった。機能のいくつかを減らすのは全く簡単なことではあったが、全体としてゲームに影響が出てしまった。

Xbox 360やPS3に搭載されているPowerPCプロセッサ向けに最適化されたコードは、Wii UのCPUにいつもフィットするというわけにはいかなかった。Wii Uのチップは興味深い機能を備えており、CPUに性能以上の処理をさせることができるが、それを充分に活用することはできなかった。そうは言ってもいくつかのコードは大幅に改善することができ、他よりも低いクロックを緩和することができた。ロード・ヒット・ストアをなくすことによる4倍のブーストや、アウトオブオーダー実行を含めることによる高IPC(サイクルあたりの命令数)といったものだ。

GPU側では話は逆だった。Wii UのGPUは非常に高性能であることが分かったので、私たちは追加の「ポリッシュ」機能を追加した。GPUにそれだけの性能があったからだ。

コンピュートシェーダを通じてGPUを活用し(GPGPU)、CPUの負荷を分散しようということについての議論が行われている。これはまさに次世代ハードで普及するだろうと私も予期しているものだ。だが非常に限られた開発期間で、任天堂からのガイダンスもサンプルもなしで、GPGPUを試みるリスクは冒せなかった。もしも私たちがもっと大きな開発体制であったり、あるいはもっとも開発期間が長かったならば、これを試みたかもしれない。だが結果論になるが、GPUの性能を使い切る前に私たちができたであろうことについて言えば、私たちはそこまではできなかっただろうと思う。

Wii UのGPUはPS3やXbox 360よりも良い。だがPS4やXbox OneのGPUはさらにはるか彼方にあるのだ。

私はまた Wii UのDDR3メモリを活用すること、そしてそれがPS3やXbox 360に比べて帯域幅が不足していることを懸念している。私たちの場合、それは実際には問題にはならなかったが。GPUは( EDRAMを経由することで)渋滞を最低限にしデータを高速にフェッチすることができた。効率的にプリフェッチをすることも可能だったが、これはGPUを最高速で実行させることができるようにしてくれるものだ。


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2014-01-13 14:04:36

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(5)任天堂とオンライン①

テーマ:Wii,Wii U
さてゲームは完成し、ハードウェアの問題が解決された。次に私たちが注意を向けるのはゲームのネットワーク側だ。新たに発表された任天堂のネットワークとのインタフェースのことだ。

私たちはドキュメント、コード、ネットワーキング領域におけるギャップと思われる点を早くから見つけており、それについて明らかにするように任天堂に求めていた。お約束の翻訳による遅れの後で、Wii Uの(ファームウェアの)コードはまだ開発中で、だがすぐに届けることができるので心配無用だ、との回答を任天堂から受け取った。

例の警報が再び私の頭の中で音もなく鳴り始めたが、私はしばらくの間それを脇において置くことにした。任天堂のネットワークは、新しいコンソールのまわりに構築される新しいネットワーク基盤なのだ。開発者に共有する前に、任天堂はそれを完成させ、徹底的にテストしておく必要がある。少しぐらい遅れたとして、それは許してもよいはずだ。

基本的なところはわかっていたので、少なくともいくつかのテストを実施し、複数のキットを相互に接続することは可能だった。だがMiiやフレンド関係のコンテンツの多くについてはテストすることができなかったし、既存のコードが「ユーザが利用する環境」の中でどのように振る舞うかをテストする方法はなかった。開発キットにはユーザが利用する環境の「フラッシュ」がなかったからだ。私たちは何も見えない暗闇の中で、そういったもの全てをコーディングしなければならなかったし、それらのコードが上手く動くのを祈る他なかったのだ。


私たちはその頃、テレカンで任天堂のもっと高位の人たちと話をする機会があった。この人たちは、私たちのWii Uでの開発における経験と、一連のツールについてのフィードバックを集めていた。任天堂と、彼らがどのように働いているかについて、このテレカンは興味深い洞察を与えてくれた。

テレカンはスムーズに始まり、私たちのハードウェアと(動作の遅い)一連のツールについての経験をつまびらかにした。私たちは議論の流れを、オンライン機能がいつ頃に利用できるようになるのかという点に向けてみた。

そこで任天堂は、ネットワーク上の機能やそれらをサポートするOSのアップデートは、ハードウェアが発売されるまでには提供されるが、発売の直前になるだろうと言った。ソニーやMSに匹敵する大規模なネットワーク基盤を立ち上げる上では多くの課題があるものだが、任天堂は明らかにそれらを想定していなかったのだ。

私たちは驚愕した。ネットワーク機能が発表されたのは何ヶ月も前のことなのだし、それに取り組むためにはたっぷり時間があるだろうと思い込んでいたからだ。

私たちはもう少し深く探りを入れてみた。Miiフレンドやネットワークについて、特定のシナリオでよいので、どのように動作するのかと聞いてみたのだ。Xbox LiveやPSNが同じことをしていることに常に言及しつつだ。この会議のある時点で私たちが知らされたのは、LiveやPSNに当てはめた説明がさっぱり要領を得なかったのは、任天堂の開発チームの誰一人としてLiveやPSNを使ったことがなかった(!)からだったということだった。一体どうすれば、もっと詳細な説明を彼らから得られたというのだろう?


このテレカンの後で、私はこんなことを思った。

任天堂は苦しんでいる。それも酷く苦しんでいる。ネットワーク・インフラの構築は任天堂が予期していたものよりも遥かに複雑なだったからだ。任天堂は競合他社のシステムに追いた振りをしようとしていた。何年にもわたる経験の裏付けもないのに。


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2014-01-13 22:50:41

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(6)任天堂とオンライン②

テーマ:Wii,Wii U
約束通りにグローバルのロンチの(直)前、私たちが求めていた最終版のネットワーク機能と、開発キットに対するOSのアップデートを受け取った。これでテストを行うことができるようになった。それで私たちはコードにパッチを適用し、テストを始めようとした。

まず最初に、私たちは一般ユーザ向けモードに開発キットをフラッシュする必要があった。Miiおよびネットワーク機能はここにあるからだ。これは非常に複雑な、マニュアルで行わなければならないプロセスで、コンソールを中途半端な状態にする。この一般ユーザ向けモードで、私たちは開発した機能をテストし、期待通りに動作することを確認するのだ。これは任天堂の認承を得るのに必要になる。

しかしこのモードのデバッグ機能は限定的なものだった。処理がうまくいかないことは分かるのだが、なぜ上手くいかないのかを探り出すために充分にデバッグすることはできないのだ。開発者として私たちは選択をしなくてはならないし、発見した問題が(未テストの)OSのコードによるものものであり、一般ユーザ向けの最終版では発生しないということに望みを託さねばならなかった。

簡単な作業であるべきことが、長々しく間違いを起こしやすいものになっていた。フレンド申請を他のユーザに送るというようなごく簡単なことがWii UのOSではサポートされていなかった。それを行うにはコンソールのプログラムをデバックメニューから手動で一つ一つ立ち上げなくてはならない。それでようやく送ることが可能だった。だがどんなエラーが起こったところで、なぜそれが起こったのかを突き止める方法はない。分かるのはただ、それが起こったということだけなのだ。

私たちは任天堂に、一体全体どうやってこのコンソールをロンチすることができるのか?と問いただし始めた。ロンチはもう数週間先に迫っており、OSは部分的にしか完成していないのだ。この時点までに生産されてしまっている本体全てに、どうやってOSを載せるつもりだというのだろうか?私たちの手元に来るのが遅くなっているだけで、生産ラインには既に完成したOSを投入しているとでもいうのだろうか?

ロンチの当日が到来し、その答えが明らかになった。

ネットワークについて任天堂は遅れた。それも大幅に遅れたのだ。実際のところ、Wii Uを完全に使うためのただ一の方法は、初日の巨大なパッチをダウンロードして、欠けているコンポーネントを追加することだった。このパッチがないとリリースされたタイトルの多くは半分も機能しなかっただろう。


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2014-01-14 00:53:43

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(7)発売後に何がおきたか?

テーマ:Wii,Wii U
ともかく、最終的に私たちはゲームをリリースしたし、世間で高い評価を受けた。それで経営陣は腰を落ち着け、私たちの努力の結果がどのような売上となって帰ってくるかを見守った。詳しくは述べないが、私たちの目に明らかになったのは、売上が素晴らしいというレベルを下回ったということだ、とだけ言っておこう。

実際のところ、私たちは開発に掛かった費用を全て回収できたし、それは幸運だったというべきだろう。経営陣は公式にはWii Uをサポートしていたとはいえ、私たちが別のWii Uのタイトルを発売するということはもはやなさそうだ。

だが他ではどうだったろうか?他の開発スタジオはうまくいっただろうか?

リリース後に何が起こったかについての物語は、ゲームメディアにまずますしっかりと書かれているが、私が最近思った興味深い点をいくつか強調しておきたい。第一に3rdパーティのサポートだ。皆さんはWii Uの発売を取り巻くすべての派手な宣伝を覚えているだろうか?彼らがWii Uに出そうとしていた既存のゲームの動画を見せていた3rdパーティのことは?そういった数多くのゲームに何が起こったのだろうか?

ゲームタイトルの最初の突風が吹き荒れた後で、数多くのスタジオは当初の発言と発表を黙って引っ込めた。最小限の発表をしつつ、事実としては、彼らはWii U版を開発するつもりはないのだ。全くの推測ではあるが、特定のタイトルがWii Uには登場しないのは次のような理由が入り混じったものだと思っている。


-任天堂のツールチェインやハードウェアを使ってみた以前の経験が、別のタイトルを開発することへのやる気を失わせてしまった。

-3rdパーティ・スタジオに向けた技術的な、あるいは機能に関するサポート不足。1sパーティ以外の人間であれば、内面的にはこんな感覚を持っている。自分達が任天堂から大概に無視されているのは、任天堂の収益に対して上っ面の存在だからだ。任天堂の存続にとって重要なのは自社内製のゲームであって、3rdパーティは任天堂ハードの発売予定表を飾るだけために存在しているのだ、と。

-ロンチ後近辺でのWii Uの売上が好調には見えなかったこと。ロンチに近い時期、一般的な消費者には多くの混乱が生じていた。多くの人はWii UがWiiの周辺機器か何かだと思っており、Wii Uが新しいコンソールだとは知らなかった。このことが知られていなかったことは、おそらく、Wii Uが任天堂が望んだような好調なスタートを切れなかったことの一因となり、また外部のスタジオがWii U向けの開発への意欲を失うきっかけになった。

-タイミングが悪かった。Wii Uロンチの数ヶ月後、次世代ハード向けの派手な広告の列車がギアを一段上げた。ソニーはPS4を発表し、MSも数ヶ月後には戦いに名乗りを上げた。忘れないでほしいのだが、大きなスタジオの多くはハードが発表される何ヶ月も前にそのことを知っていたし、Wii Uが実際にロンチされるずっと前のことだったのだ。


さて、大規模なスタジオにはWii U以外にも選択肢があった。

性能に限界があり市場的にも限られたコンソールに対して、こういったスタジオが既存のゲームの移植作を開発するだろうか?それとも年内にも発売される「真の」次世代ハードのための新しい機能やコンセプトの開発にチームを振り向けるだろうか?考えればすぐに分かる。簡単な選択なのだ。

1stパーティについて言えば、任天堂自身、全く楽勝な時間を過ごしているというわけではなさそうだ。これは純粋な憶測だが、開発チームの幾人かとのやりとりから見て、任天堂の開発チームは新しいハードに順応する上で洒落にならないトラブルを抱えているようだ。その主な理由はHDへの移行であり、それをサポートすべきハードの能力にある。

思い出して欲しい。Wii Uが登場するまで、任天堂1stパーティのタイトルはみなHDではなかったし、SDからHDへの移行は人が期待するほど簡単なものではない。前世代のコンソールサイクルの初期、PS3とXbox 360の開発者はこの痛みに耐えた。HDに順応するには多大なコストと長い期間が必要だ。いくつかのスタジオはこれに大失敗している。

今日、任天堂の社内チームはこの難関に直面している。開発期間は限られており、競争力のあるタイトルを開発せよというプレッシャーは半端なものではない。こうした重圧の下であれば、よく知られたタイトルのいくつかが延期になることは避けられなかったろう。とはいえ、昨年の1stパーティのタイトルがどれほどまばらであったかは、驚くべきものだった。


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http://ameblo.jp/seek202/entry-11749552349.html

2014-01-14 01:09:45

開発者は語る: Wii U開発の舞台裏(8)Wii Uの将来

テーマ:Wii,Wii U
Wii Uは次世代(現世代 ?)コンソールが戦うこの新しい世界で、果敢にも競争することはできるのだろうか?

単純な性能の面で、Wii Uは前世代と現世代の間の居心地の悪い所にいる。ハードウェアの一部は前世代よりも優れているが、それ以外部分はそのまま引き継いでいる。Wii UをPS4やXbox Oneと比較しようとするならば、間違いなく悲惨な結果に終わる。次世代のコンソールと競合することは全く不可能なのだ。

非常に基本的なレベルでは、次世代ハードの消費電力を見て見ればいい。PS4は任天堂のコンソールよりも、主電源から100W以上大きな電力を引いている。PS4は最新の、最高の電力効率を備えたAMD製のx86コアを搭載し、遥かに巨大なGPUは1世代先のものであり、より微細な28nmの製造プロセスルールで作られている。私が信頼できる筋から聞いているところでは、それに対してWii Uは日本のルネサス製の55nmプロセスなのだ。

Wii Uと次世代ハードの間には、いくつかのはかない類似点がある。低消費電力のCPUとはるかに強力なグラフィックチップの組み合わせだ。だが次世代のタイトルの概念を安易にWii Uに持ち込もうとしても、それは全く上手くいかないだろう。性能の格差があまりに大きすぎるし、一方でXbox OneやPS4に今後登場するであろうGPGPUは、Wii Uにあるようなハードウェアの古いシェーダモデルとは互換性がない。

間違いないが、任天堂の1stパーティの開発者はハードウェアを歌わせることができるだろう。彼らがいつもそうするようにだ。だが現在の状況は、3rdパーティの開発者である私たちにとってはゾッとするようなものに見える。このハード上で進歩するチャンスは押しとどめられている。それはツール類の品質の低さ、そしてコードをWii Uの強みを活かすようにWii Uに適合したものとしていくことにおカネの面でのメリットが欠けていることによってだ。

個人的に言えば、これから何が起こるかについてはよく分からない。だが現在の傾向が続くならば、 Wii Uはおそらくほそぼそとした売上が続くことだろう。「必携」のタイトルが、おそらくは1stパーティからリリースされるまでは。その時点ではしばらくの間、売上はロケットのように舞い上がるだろう。だがたとえそうであっても、PS4とXbox Oneの勢いに追いつくことはほとんどありそうにない。

中国でのゲーム機の解禁についての最近のニュースといったこの他の変数が、任天堂の将来の方向性に影響を与えるかもしれない。この巨大な未開拓の市場が売上の面でライフラインを提供するかもしれないが、一般的な人民は低賃金であって、中国での売上は高価なWii Uではなく、むしろ初代のWiiから来るかもしれない。

任天堂を侮ることは絶対にできない。だが私の経験から、またハードの売上から言うのであれば、任天堂は今、現代において最も困難な試練に直面しているのだ。


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みらい的コメント:


「開発者は語る: Wii U開発の舞台裏」は以上。
Eurogamerの元記事はコメント欄、オススメ数やツィート数が大変なことになっている。


(追記)
なんともプロジェクトXな内容で、個人的にはこの開発者氏を始め、Wii Uのロンチ開発に参加した開発者マジリスペクトというか、いっそ本体ないけどWii Uロンチタイトルの2、3本でもでも買っちゃうかというか。むちゃくちゃ面白そうなマリカWiiUがこんな状況で作られているとはもう涙がちょちょぎれるというか。実に興味深い内容だっただけに、もしも任天堂の中の人がこれを見ていてくれたらいいなあとか。

長い記事でしたが、ここまで読んでくださった読者の皆様、お疲れ様でした。

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